【 VOICE 】part.6 < 井上悟と五十嵐裕子それぞれの結末 > 市川拓司の小説作品 ~ 悟と裕子の物語 ~ 『 思い 』というボタンの掛け違いからの『 別れ 』・・・。お互いの思いが強いからこそ叶うことのなかった結末とは・・・(><)?!
こんにちは、キトスです\\\(^-^)///
今回も市川拓司さんの小説『 VOICE 』をご紹介させて頂きたいと思います<(_ _)>
今回は、小説『 VOICE 』に関するの記事の最終回となります//(^○^)//
以前の記事は下記に載せておりますので、是非一度、ご覧下さい<(_ _)>
success-smile-kitos.hatenablog.com
裕子は、ある日突然、高沢の前から姿を消します・・・。
高沢だけでなく、他の者たちの前からも姿を消してしまうのです・・・。
悟の心の中でも裕子の心の声がふつりと途絶えてしまいます・・・。
ある日の深夜、悟の自宅に裕子から電話がかかってきます。
二人は3年ぶりに声を交わすのでした・・・。
他愛のない会話をするだけで、二人はもう一度会う約束などはしませんでした。
裕子は小さく囁くように『 さよなら 』と言い残し、電話を切ります・・・。
その後、悟は大学を卒業し、隣町にある司法書士事務所に、知人の紹介で就職することになりました。
その職場で出逢った女性と付き合うようになり、ある時、二人で一緒に映画館に映画を観に行くこととなります。
その映画館は、かつて悟が裕子を連れて映画を観に行ったことのある映画館でした。
そこで悟はとても不思議な体験をするのでした・・・。
ここまでが以前の記事の内容なのでしたが、今回は、この続きをお話をさせて頂きたいと思います<(_ _)>
そして今回が、市川拓司さんの小説『 VOICE 』に関するの記事の最終回となります・・・(>_<)
映画が始まってから30分程が経った後、悟は、スクリーンがふっと揺らいだような感覚に襲われたのです。
それは、17歳の時に初めて裕子の心の声を聞いた感覚と同じものでした・・・。
そして、スクリーンの中に裕子がいたのでした。
裕子は死にゆこうとしていました・・・。
ほんの一瞬の間に、裕子の心の中の記憶が、悟の心の中に入り込んできました。
裕子はみんなの前から姿を消した後、東京の片隅で暮らしていたのです。
裕子は年上の男性から求愛され、執拗に乞われて同棲を始めます。
裕子はやがて妊娠します・・・。
けれども裕子の身ごもった子は、胎内で天に召されてしまいます・・・。
そして裕子も、病院のベッドの上で自分の生涯を終えようとしていたのでした・・・。
悟は、裕子の見ている最後の夢を、一緒に見るのでした。
裕子の見る最後の夢の中で、裕子は悟に言葉を発するのでした。
その言葉は、17歳の聖夜に競技場のスタンドで、悟と裕子が交わした言葉でした・・・。
『 ねぇ
もし、人が少しずつ命と引き替えに思い出を手に入れていくんだとしたら・・・・・・
私の残りの命全てをこの夜と引き替えにしちゃ、いけないかしら・・・・・・
ねぇ
知ってた?
私が、今とても幸せだってこと
井上君
最後に
最後に井上君に言ってほしい言葉があるんだけど・・・・・・
そう・・・・・・・・・
これは大事なことだから間違えないように言ってね
そう?
じゃあ、お願いね。
こんなふうに・・・・・・
「 君の人生は短いものだったけれど、
それでも、ひとを愛することの本当の意味を知って、
たくさんの幸せを手に入れることができたんだよ 」
・・・・・・って
お願い、静かに聞いているから・・・・・・』
悟は、悲しみに打ちひしがれながらも、彼女の想いに応えようと、言葉を発し始めるのでした・・・。
『 君の人生は・・・・・・
短く、儚いものだったけれど
それでも、ひとを愛することの本当の意味を知って・・・
そして、
きみは誰よりも、
このぼくから深く愛されて、
だれにも負けないほどたくさんの幸せを手に入れることができたんだよ、
裕子・・・・・・』
裕子が嬉しそうに微笑み、唇が『 ありがとう、さようなら 』と動いて、そして彼女は、人生の幕を下ろすのでした・・・。
ある晴れた日、悟はふと思いついて競技場に足を運びました。
人気のない競技場のスタンドに上がり、いつか裕子と二人で座ったベンチに腰を下ろします。
何気なく視線を落とすと、そこには昔と変わらぬ、幾つもの小さな文字がありました。
その中の一つ・・・、
ひどく控えめな文字に悟は引き寄せられます・・・・・・。
そこには繊細な文字で、こう書かれていました・・・・・・。
《 4‘21”7 わたしの未来のダンナサマの記録です。 Y.I 》
皆さん、如何でしたでしょうか?!
『 悟と裕子の物語 』・・・、
『 井上悟と五十嵐裕子それぞれの結末 』・・・、
市川拓司さんの小説『 VOICE 』・・・。
全6記事に渡って、ご紹介させて頂きました。
ちょっとしたボタンの掛け違いだったように思います・・・・・・。
ほんの少し、心のボタンを掛け違ってしまったがために・・・、
最後は永遠の別れを迎えなければならなくなった、悟と裕子・・・。
あまりにお互いの想いが強過ぎると、むしろお互いの想いが強過ぎるからこそ、本当に叶えたいお互いの願い、望み、想いを叶えることができなかったのかもしれません・・・・・・。
全てがそのようになるとは思いません。
もちろん、お互い想いが強いからこそ、結ばれる縁もあると思います。
けれども、そうではない場合も存在してしまう・・・、悟と裕子のように。
もしかすると、悟と裕子のような経験、似たような経験をされた人、されている人はいらっしゃるのではないでしょうか・・・?!
その人を想うからこそ、
誰よりも愛するからこそ、
その人の元から離れてしまう・・・、
その人もそばにいると、その人の迷惑になってしまう、その人の思い描く未来の実現を邪魔してしまうのではないか・・・?!
そう思い、そばから離れていってしまった人は、現実にいらっしゃるかもしれません・・・・・・。
けれども、後々、それは自分のただの思い過ごし・・・、
むしろその時の自分自身の心をこれ以上傷つけたくないからこそ・・・、
その人を幸せにする自信を持てない自分自身から逃げ出したいという理由から・・・、
その人のそばを離れてしまったことに気付く人もいらっしゃるかもしれません。
本当はその人とずっと一緒にいたかった、その人と生涯を共に過ごしたかった・・・、
今となってはどうすることもできない現実に苛まれてしまう・・・、
今となってはどうしようもない現実に、もがき、苦しんでしまう・・・、
そのようなことを経験された人、されている人もいらっしゃるでしょう・・・。
だからこそ、思い切って自分自身に素直になり、その人を愛する覚悟を決める・・・、
今の自分がどうであろうと、その人を守り、愛し続ける強さを身に付ける覚悟を決める・・・、
そう、
誰よりも愛する人を守るために・・・、
愛し続けるために・・・、
強くなる覚悟を決める、
そして、誰よりもその人を愛している自分の想いに、素直になる気持ち・・・、
それがどれだけ大切であり、そして尊いものなのかを・・・、人は学ぶのかもしれません・・・。
悲しみに打ちひしがれ、後悔に苛まれながらも、そこから人は学ぶのかもしれません・・・。
もし、悟と裕子が、お互いにお互いを愛し合う覚悟・・・、
そのために少しでも今よりも強くなる覚悟があれば・・・、
そして何よりも自分自身の本心に少しでも素直になることができていれば・・・、
『 4‘21”7 』 という記録は、本当に裕子の未来のダンナサマの記録として、実現していたかもしれません・・・。
事実、そうであってほしかったと願って止みません・・・<(_ _)>
もう一度、お聞きしたいと思います・・・、
市川拓司さんの小説『 VOICE 』・・・、
悟と裕子のそれぞれの想いと、それぞれの結末・・・・・・、
皆さんは如何でしたでしょうか・・・・・・?!
市川拓司さんの小説、 悟と裕子の物語 ・・・『 VOICE 』、この本を下記にご紹介させて頂いておりますので、是非一度、手に取って頂き、じっくりと楽しんで頂ければと思います(^-^)
何故この作品が、かつてネット上でとても大きな話題を呼んだのか・・・、
きっとその答えが見つかるのではないか思います・・・・・・
そして、最愛の人への想いに素直になることの尊さを、見出すことができるかも・・・しれません<(_ _)>
この記事を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
皆さんの日常が、よりハッピースマイルになることを心よりお祈りしております。
\\\(^-^)///